夏休みの自由研究のテーマについて、何にしようか悩まれていないでしょうか。
近年、環境問題が注目されており、ゴミ問題をテーマにしたいと思っている方も増えているのではないでしょうか。
ゴミは、日々の生活とは切り離せない身近な存在。
今回は、年齢を問わずに考えやすいゴミをテーマにした自由研究のアイデアについてまとめてみました。
夏休みの自由研究に悩まれている方の参考となればうれしいです。
- 1.家庭から出るゴミの研究
- 2.雑紙を使ったアイデア工作づくり
- 3.モノの行方調べ
- 4.生ゴミコンポストの観察
- 5.町に落ちているゴミの調査
- 6.海辺でマイクロプラスチック探し
- 7.ゴミ処理場の見学
- 8.まとめ
1.家庭から出るゴミの研究
実際に、自分の家庭から排出されるゴミを記録・分類してみよう、という内容の自由研究です。
具体的な手順は以下の通りです。
1-1.ゴミ箱のゴミを種類ごとに分類しよう
まずは、家中のゴミ箱からゴミを集めて、種類ごとにゴミを分類してみましょう。
ゴミは、燃えるゴミ、紙ゴミ、プラスチックゴミ、燃えないゴミ、粗大ゴミ、など地域で回収される項目ごとに分けるのがわかりやすいです。
また、研究の後に処分もしやすいです。
小学生のための環境リサイクル学習ホームページ が分かりやすくて参考になると思います。
さらに「カイロは何ごみ?」「布団は何ゴミ?」などと具体的に、ゴミの分別を知りたい時は、マシンガンズ滝沢さんの『ごみ育 日本一楽しいごみ分別の本』もおすすめ。
クイズ形式になっていて、楽しみながら学べますよ。
分類したゴミをさらに細かく分けてみると、家から出るごみの傾向が見えてくると思います。
燃えるゴミ・・・生ゴミ、ティッシュ など
紙ゴミ ・・・新聞紙、チラシ、お菓子の空き箱 など
プラスチックゴミ・・・食品パッケージ、日用品パッケージ など
「生ゴミが多いのは自炊しているから」「外出時にペットボトルを買う習慣がある」など、ゴミを見ると、どんなライフスタイルで過ごしているのかがだんだん見えてきます。
分類したゴミの種類は、写真やスケッチ・メモで記録しておきましょう。
1-2.ゴミの量を記録する
分類したゴミの量を数値で記録すると、客観的にゴミの量を把握することができます。
一日のみの記録でも良いですが、数日間継続してみるとより傾向がつかめますよ。
量の記録の仕方は、「数で数える」「重さを測る」の2種類。
①ゴミの数を数える
分類したゴミの数を数えて、記録してみましょう。
ペットボトルが3本、食品パッケージが2個、などと具体的に記録してみると毎日どれだけのゴミが発生しているのかがよくわかります。
②ゴミの重さを計測する
家にある計りなどで、分類したゴミの重さを計測してみましょう。
量りや体重計にのせて測るほか、ばねばかりにゴミの入った袋を吊るして測る方法もあります。
重さを測ってみると、「プラスチックゴミはかさばる割に総量は軽い」「紙ゴミは意外と重い」「生ゴミは水分を含んでいるので重い」といった傾向がつかめます。
1-3.記録から家庭で出るゴミの傾向を分析する
また、何日か計測し続けると家庭から出るゴミの平均的な量が把握できます。
記録したデータをもとに、家庭で出るゴミの傾向を分析してみましょう。
・どういった種類のゴミが多いのか
・どういうタイミングでゴミが増えるのか
分析した内容をもとに、自分なりの視点で考察や感想をまとめればOKです。
1-4.家庭から出るゴミを減らす方法を考えよう
余力があれば、どうやったら家庭から出るゴミが減るのかを考えてみましょう。
実際にゴミとして捨てていたものでも、工夫すれば別の使い道が見つかるかもしれません。
「捨てない暮らし研究所」のサイト内記事にもたくさんのヒントが詰まっているので、参考にしてみて下さいね。
さらに余力があれば、ゴミを減らすチャレンジを実際に行い、チャレンジ前後のゴミの量を記録して成果報告してみましょう。
ここまでできれば完璧です!
2.雑紙を使ったアイデア工作づくり
紙のリサイクルに関して学び、廃棄時のリサイクルしやすさを考えたモノづくりの思考を学べる実践型の研究です。早ければ一日で終わります。
手順は以下の通りです。
2-1.リサイクルできる紙について調べる
工作に使う紙を選ぶときに、リサイクルできる紙とリサイクルできない紙があることを調べておきましょう。
「レシート」「金銀色の紙」「撥水加工された紙」など、紙という名前がつけられていてもリサイクルできない紙がたくさんあるんです。
詳しくは、紙リサイクルの基礎知識 | 公益財団法人 古紙再生促進センターのHPやお住まいの自治体のHPをご確認下さい。
2-2.家にある雑紙を元にアイデアを考える
家にある雑紙を集めて、何を作ろうか考えてみましょう。
雑紙を使った工作のアイデアは、おうちで雑がみ部の活動を参考にしてみて下さい。
新品の色紙や画用紙を買わなくても、工夫次第でユニークな作品をつくることができるんです!
Twitterのタイムラインに掲載されているユニークなアイデア作品の数々からもインスピレーションを受けられますよ。
【ワケあり雑がみ部】本日活動日です!16:00までスタジオbでやっています。出入自由です〜。お待ちしております。七夕の時期なので(仙台は8月ですが)それに向けて制作している部員さんもいます。https://t.co/KPyzp5eorR pic.twitter.com/KqiI6POGdT
— アートノード (@art_node) 2023年7月7日
2-3.完成後に分解してリサイクルできる作品をつくる
ゴミをテーマにした工作のため、制作の過程でゴミがなるべく出ないように工夫してみましょう。
また、作品を最後廃棄する時に、紙ゴミとしてリサイクルできるかを考えてみて下さい。
なるべくクレヨンやノリ※、ホッチキスを使わないよう、紙に切り込みを入れてつなげたり、クリップ止めを使用したりと工夫し、工夫した点や苦労した点などをまとめてみましょう。
※一般にクレヨンやノリの成分にはプラスチックが含まれていることが多いです。
3.モノの行方調べ
NHKの『ぼくドコ』 という番組をご存知でしょうか。
モノの一生をストーリー仕立てとし、モノがどのように生まれて処分されていくのかがわかりやすくまとめられている番組です。
こちらは、本番組のように家にあるモノの行方を調べてみようという企画です。
写真:NHK for School HP
3-1.家庭内にある気になるモノを一つピックアップする
何でもよいので、まず家の中にある気になるモノを一つ選んでみましょう。
鉛筆や消しゴム、TVやスマートフォンなど、何でも構いません。
3-2.モノが何からできているか調べる
インターネットや本を使って、選んだモノがどんな素材からできているのかを調べてみましょう。
3-3.使い終わった後のモノの行方について調べてみる
選んだモノは使い終わった後、誰がどのような形で回収し、処分されるのでしょうか。
燃えるゴミ、不燃ゴミなど、何ゴミに分類されるかを調べ、大きな処分の流れを把握してみましょう。
ゴミの行方は、小学生のための環境リサイクル学習ホームページに記載されています。
各自治体のHPの他、インターネットや以下の本なども参考にされてみて下さいね。
一つのモノでも深掘りすると、いろんなことがわかってきます。
社会の仕組みを学べる自由研究といえます。
余力があれば、1つと言わず2つ3つ調べてみて下さいね。
4.生ゴミコンポストの観察
家庭で出るゴミの約1/3を占める生ゴミをコンポストに投入してみよう、という企画です。
庭や畑がある、プランター菜園の堆肥にするなど、コンポストの土の出口が決まっている場合のみチャレンジください。
4-1.家で出る生ゴミの量を調べる
家庭で出る生ゴミの種類や量を調べてみて下さい。
数を数える、重さを計測するなど、数字で記録してみるとわかりやすいですよ。
4-2.コンポストをつくる
簡易なコンポストをつくり、中に生ゴミを投入していきます。
コンポストには、ダンボールコンポストやキエーロといった選択肢などがありますので参考にされてみて下さい。
4-3.コンポストで生ゴミが分解される様子を観察する
コンポスト内で生ゴミがどのように分解されるのか、観察記録をつけます。
すぐに分解されるもの、なかなか分解されないものなど気付きが得られます。
生ごみを分解する微生物の観察や、コンポスト内の温度の測定などをしてみても面白いですよ。
コンポストの虫や臭いが気になるという方は一度こちらの記事をご確認ください。
5.町に落ちているゴミの調査
普段何気なく通り過ぎている道に落ちているゴミに注目してみよう、という企画です。
ゴミからその街に住む人の行動や生活スタイルが浮かび上がってくる点が興味深いですよ。
5-1.ゴミ拾い用具をそろえる
まずは、ゴミ拾いの用具をそろえてみましょう。軍手・トング・ゴミ袋の3点があれば十分です。瓶や缶、燃えるゴミなど種類ごとに分別できるようゴミ袋は複数枚準備されることをおすすめします。
5-2.ゴミ拾いする場所、日時を決める
ゴミ拾いをする場所と日時を決めてみましょう。
場所や時間によって落ちているゴミの量や種類が異なります。
日時を変えて同じ場所でゴミ拾いをしてみたり、駅前や住宅街、公園、道路際など、場所を変えてみると発見があると思います。
また、ごみ拾いに危険が伴わないよう以下の記事もご一読ください。
※車通りの多い道を避ける、ゴミを素手で触らない、夏の暑い時間帯を避けるなど安全面にはご注意下さい。
5-3.拾ったゴミの分類・分析
どこにどんなゴミが落ちていたのか、分類し、ゴミ拾いマップを作ってみましょう。
自動販売機の近くには缶のゴミが多い、コンビニの近くの公園はゴミが多い、など傾向が見えてくると思います。
自由研究しながら、街も綺麗にできるという、一石二鳥の活動です。
6.海辺でマイクロプラスチック探し
海の近くに住んでいる、又は旅行で海へ行く場合は、海辺の環境問題に取り組んでみてもよいと思います。
6-1.プラスチック問題について調べる
スーパーやコンビニでのビニール袋の有料化をはじめ、プラスチックが環境へ与える影響が世界的に注目されています。まずは、プラスチック問題について調べてみましょう。
インターネットなどに情報が多くありますが、以下の書籍がよくまとまっているのでおすすめです。小学生には少し難しいかもしれませんので大人の方と一緒に読んでみて下さい。
6-2.必要な道具をそろえる
マイクロプラスチックとは、一般に5mm以下の微細なプラスチック片のことをいいます。
マイクロプラスチックを砂から見つけたり、海水に浮いてものを拾ったりするためには、バケツ・キッチンの排水溝用ネット・ザル・ピンセットなどが必要です。
詳しく知りたい方は以下の資料や動画を参考にしてみてくださいね。
参考)マイクロプラスチックに関する情報取集及び調査方法|沖縄県環境部HP
6-3.海辺でマイクロプラスチックを探してみる
砂を海水を手作りのふるいにかけて、マイクロプラスチックを回収し、観察してみましょう。
マイクロプラスチック以外のプラスチックゴミも拾ってみましょう。
いろんな色や形のプラスチックがあると思います。これらのプラスチックはどこからきたのか、何の破片なのか、など想像をめぐらせ考察にまとめてみて下さい。
7.ゴミ処理場の見学
自宅で出たゴミがどのように処理されているのかを調べてみましょう。
ゴミ処理場では、圧倒的なゴミの量を体感することができます。
7-1.地域のゴミ処理場の見学を申し込む
地域のゴミ処理場見学は、各自治体のHPから申し込むことができます。
事前の予約となるため早めにお申し込み下さい。
こちらでは、著名な建築家によるゴミ処理場をご紹介しておきますね。
①大阪市舞洲工場見学
オーストリア生まれの建築家フンデルトヴァッサーによる建築作品です。
ゴミ焼却場に見えない奇抜な外観が印象的です。
写真:大阪広域環境施設組合HP
②広島市 中工場
建築家、谷口吉生氏による建築です。外観は控えめな印象ですが、内部はゴミ焼却場とは思えない美術館のような空間になっています。
写真:広島市HP
7-2.ゴミ処理場の見学で気になったことを調べてまとめる
ゴミ処理場で見学で感じたこと、気になったことを書き出してみましょう。
そして、出てきた疑問について本やインターネットで調べてまとめてみましょう。
ごみ処理場以外の、ゴミを出さない工夫をしている施設などを見学してみても面白いと思いますよ。
8.まとめ
今回はゴミをテーマにした自由研究についてまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。お子さまの自由研究のテーマ選定の参考となりましたら幸いです。
また、大人のみなさんも気になる内容があれば是非深掘りしてみて下さいね。
他にも捨てない暮らしに関する記事を書いています。
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