SDGsの概念が浸透する中、サステナブルな暮らしについて学びたいと思われている方も増えているかと思います。
SNSやウェブ、TVや動画でもゴミやサステナブルな暮らしに関する情報が紹介されていますが、本を読むとより深くて広い情報を得ることができます。
本記事ではゼロウェイストな暮らし(=ゴミをなるべく出さない暮らし)に興味がある、という方へおすすめの本をご紹介していきますね。
目次
1.ゼロウェイストのために家庭でできること
まずは、ゴミを出さないゼロウェイストな暮らしのアイデアを得られるおすすめの本をご紹介しますね。
1-1.ゼロ・ウェイスト・ホーム|ベア・ジョンソン
『ゼロ・ウェイスト・ホーム』はゼロウェイストな暮らしを始める際の入門書として多くの人に読まれている本です。
著者のベア・ジョンソンさんは消費大国といわれるアメリカのカリフォルニア在住。
家族4人で「1年間に1Lのビン一つ分のゴミしか出さない」ライフスタイルを実践されています。
ゼロウェイストを実践するためには、
「リフューズ(断る)」
「リデュース(減らす)」
「リユース(繰り返し使う)」
「リサイクル(資源化する)」
「ロット(堆肥にする)」
の5つのステップが大切だ、とベア・ジョンソンさんは本書の中で語っています。
生活のあらゆる場面でこの考え方を実践することがゼロウェイストな暮らしへの近道。
化粧品類を手作り品とするなどなかなかハードルが高い内容もあると思います。
無理なくできる範囲で参考にしてみてくださいね。
1-2.地球のためにわたしができること|枝廣淳子
日常生活の中で何が問題なの?自分には何ができるの?という考えられている方におすすめの一冊です。
具体的には、レジ袋・トイレットペーパー・タオル・水筒・鉛筆・ふとん・おはしなどの身近なものの問題の背景がわかりやすく解説されています。
ふわっと軽い詩的なエッセーのような文章で環境問題と日常生活を結びつけてまとめられているため、気負わずに読めました。
環境ジャーナリストとしての深い知識をベースにしつつも、初心者向けに読みやすくまとめられているという点が稀有な書籍です。
1-3.あるものでまかなう生活|井出瑠美
まず身近な問題として食品ロス削減から取り組んでみたいという方におすすめの一冊です。
著者は、食品ロス問題ジャーナリストの井出瑠美さん。
食品ロス問題を中心としつつ、日常生活で資源を無駄にしない暮らしのヒントが無数に散りばめられています。
各問題に対してのエビデンスがしっかりと示されており、何が問題か、何が大切かといったことを納得して読み進めることができます。
目次を見るだけでも、情報量の多さがわかります。
内容は濃いですが、一つ一つのトピックスが独立しているので読み進めやいです。
1-4.昭和に学ぶエコ生活|市橋芳則
昭和30年代以前の日本人の暮らしぶり・生活の工夫が紹介されている本で、エネルギーや資源を無駄なく使うサステナブルな暮らしのヒントが詰まっています。
モノが少なかった昭和30年代以前の暮らしぶりはとても質素に感じます。
高度経済成長期の昭和30〜40年代の間にモノの数が圧倒的に増え、平成以降は使い捨て用品が日常生活に溢れるようになったことがよくわかります。
蚊帳やハタキ、湯たんぽなどのアイテムなども登場し、昭和生まれの方にとっては懐かしい気分に浸ることのできる一冊ですよ。
1-5.もたない、すてない、ためこまない。身の丈生活|アズマカナコ
冷蔵庫・エアコン・洗濯機・掃除機・携帯電話などの家電製品を使わず、ひと月の電気代500円で家族4人、東京郊外で暮らされているアズマカナコさんのエッセイです。
本書には、現代におけるエコな生活とは何か?のヒントが詰まっています。
「ものを買うと、便利になる反面、保管の手間や手入れの手間を同時に引き受けることになる」とアズマさんは語られています。
所有者としてものに対して責任を持つことを覚悟して、ものを買っているのか、という問いを突きつけられるように思います。
2.ゼロウェイストのために社会ができること
2-1.江戸に学ぶエコ生活術|アズビー・ブラウン
アメリカ人研究者の視点でまとめられた、サステナブルな江戸時代の社会に関する本です。
この本を読めば、修繕やリサイクルが当たり前だった江戸時代の暮らしが手にとるようにわかります。
本書は、江戸時代を旅する人が目にした風景を語る、というストーリー仕立てでまとめられています。
幕府が鎖国政策をとった江戸時代は、何としてでも日本国内の資源だけで人々の生活を支える必要がありました。
その一方で、江戸時代は安定した時代で合ったため人口が急激に増加。
需要が増え、一時は山がはげ山になるほど資源が足りなくなりました。
このような人口増加により直面した資源不足の問題を、幕府や農民、町人、武士らが一体的となり高度な循環型社会を築きあげることで解決したのが、江戸時代です。
現代社会における、人口増加の様々な問題を解決するためのヒントが詰まっていると言えるでしょう。
2-2.サーキュラーエコノミー実践|安井昭博
人・環境・経済の三方を良しとしたサーキュラーエコノミーの本質が学べる、読み応えのある一冊です。
サーキュラーエコノミーとは、直訳すると「循環型経済」という意味です。
本書では、官民が一体となって取り組んでいるオランダのサーキュラーエコノミーの事例が12事例、日本での事例が5事例紹介されています。
資源を採取し製品を作り捨てる、という流れを断ち切り、使い終わった廃棄物を資源として再活用するサーキュラーエコノミーをどの国よりも先駆けて実践しているのがオランダです。
リデュース(生産量を減らす)>リユース(再利用する)>リサイクル、の優先順位をビジネスへ落とし込むとどのような形になるのか、具体例を通じてイメージできるようになりますよ。
3.ゼロウェイストでできること|アイデアが詰まった本 まとめ
今回は、ゼロウェイストな暮らしに興味のある方におすすめの書籍をご紹介してみましたがいかがでしたでしょうか。
ゼロウェイストな暮らしの本質は「資源が有限であること理解し、資源を無駄にしない」ことなのだと思います。
ご紹介した本がきっかけとなり、ご自身なりに心地よい範囲でのゼロウェイストな暮らしを見つけていただければうれしいです。
他にも捨てない暮らしに関する記事を書いています。
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