ここ数年、SDGs・脱炭素・脱プラスチック、といった環境配慮のキーワードへの注目度が上がっていますよね。
各企業で環境に配慮した取り組みを行おうという意識は高まっているものの、具体的に何から手をつけて良いかわからない、といった悩みを抱えている担当者もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、企業ができるサステナブルな取り組みを大小にこだわらず記事にまとめてみました。
中小企業であっても工夫次第で取り組める内容もあり、具体的な事例とともにご紹介しています。
会社として何かできることを模索したい、一社員として会社にサステナブルな取り組みを提案したいと思われている方の参考となればうれしいです。
すぐに始められるサステナブルな取り組み
1.エコな検索エンジンを使う
Web上で何かを検索するいえば、GoogleやYahoo!を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
日本では、9割以上の方がGoogleやYahoo!を使っているというデータもあります。
実はこの検索エンジンを変更するだけで、環境問題に対して貢献できたりします。
Google、Yahoo!に変わる検索エンジンの例をご紹介しておきますね。
PCやスマホのホーム画面をエコな活動を行っている検索エンジンのページに変更するだけですので、すぐに行動できますよ。
Ecosia エコシア
Ecosia(エコシア)はドイツ発の検索エンジンです。
2009年からサービスを提供されており、2021年11月時点の世界シェア率は7位です。
Ecosiaでは、広告収益の80%が非営利団体WWFに寄付される仕組みになっており、約45回の検索が1本の木の植樹につながります。
2022年7月時点では1億5000万本以上もの木の植樹に繋がっています。
ekoru エコル
検索エンジンを維持するサーバーの電力は、再生可能エネルギーである水力発電でまかなわれています。
利益の60%を海洋保護団体に寄付しており、海洋ゴミの除去、クリーンアップ、海藻の保護に取り組んでいます。
giveWater ギブウォーター
giveWater は広告収入の一部を世界の水質衛生環境の改善を行う団体に寄付する検索エンジンです。
紙ごみを減らす
紙はリサイクルシステムが確立しているとはいえ、貴重な資源です。
無駄なく、なるべく紙ゴミが出ないような仕組みにシフトチェンジしていきたいですね。
2.書類のペーパーレス化を進める
近年企業の活動もどんどんとデジタルに移行しているので、紙の書類は減少傾向にあります。
まだ書類で資料を管理・配布する習慣が残っている場合は、ペーパーレス化できないか再考してみましょう。
紙の量だけでなく、印刷コストや印刷にかける人件費も削減できます。
3.両面印刷を使う
紙面での保管が必要な書類は、両面印刷にすると使用する紙の総量を減らせます。
また、資料保管時のボリュームも減り、書棚にコンパクトに収納できるというメリットにもつながります。
4.裏紙を使用する
ミスプリントや不要になった書類も裏紙を使用すれば、貴重な紙資源を節約できますよね。
機密情報が書かれていない書類であれば、メモ帳がわりやコピーの裏紙として再利用可能です。
コピー機で使用する場合は、紙詰まりを起こさないよう、折れやシワ、ホッチキス後のない紙を選定しましょう。
一般的なオフィスコピー機の手差し印刷方法については以下サイトが参考になると思います。
資源としてのリサイクルを推奨する
5.資源ごみ分別のコーナーを作る
ゴミも上手に分別すれば、多くを資源としてリサイクルできます。
お菓子の空き箱など汚れていない紙類は雑紙としてリサイクル可能です。
10年以上ごみ清掃芸人として活動されている滝沢秀一さんは、「ゴミの捨て方がズサンな会社は、短期間で潰れる」と持論を語られています。
きめ細やかに分別を行う配慮ができることは、会社の日常業務でも細やかに配慮できる証であるといえるのではないでしょうか。
6.エコ窓封筒を使う
プラスチック製の透明な窓が空いている封筒は、グラシン紙の窓が空いているエコ窓封筒に切り替えてみましょう。
プラスチックの窓の封筒は、プラスチック部分をわざわざ切り取って分別しなければなりませんが、グラシン紙は雑紙として封筒本体と一緒にリサイクルできる点が優れています。
7.紙製ファイルを使う
脱プラスチックの流れを受けて、プラスチック製のクリアファイルを取りやめてクリアファイルに変更する企業も出てきています。
なお、紙製とうたわれていてもトレーシングペーパー製はリサイクルできないので、ご利用時はご注意下さい。
8.紙製クリップを使う
クリアファイルと、クリップの中間に位置するのが、紙製クリップです。
使い方にもよりますが、30回ほど繰り返し使えるとされています。
クリップほど、バラけず、キチンとまとめることができ、そのまま紙ゴミとしてリサイクルできる点もメリットですね。
9.芯なしホッチキスを使う
ホッチキスも芯のいらないホッチキスも市販されています。
紙ごみとする際にホッチキスの分別が不要で、ホッチキス芯を補充する手間がかからないという点がメリットです。
留められる紙の枚数が最大4〜10枚程度だったりと枚数制限があるので注意しましょう。
10.企業の紙袋は持ち手部分まで紙製にする
紙袋といっても多くの多くの企業が持ち手の部分がひもだったり、プラスチック製だったりすると思います。
使い終わった後は容易に資源ごみとして分別できるよう、持ち手は紙製とするのが望ましいといえます。
11.重要文書はシュレッダーでなく溶融処理に切り替える
機密情報をシュレッダーされている企業も多いと思います。
シュレッダーした紙は紙の繊維が切れてしまうことから、実はリサイクルに向かないんです。また、禁忌品と呼ばれる感熱紙や圧着ハガキが混じっていることもあり、自治体で焼却処分されているケースが多いようです。
シュレッダーに代わり、機器メンテナンスやシュレッダー・ゴミ出し手間を削減でき、かつ紙をリサイクルできる溶融処理のサービスが注目されています。
リユースを推奨する
12.Take Free コーナーを作る
社員同士が不要な文具などを譲り合えるTake Freeコーナーを作ってみましょう。
誰かの不用品が、他の社員が必要としているものかもしれません。
捨てる前に誰かが使えないかを考えてみましょう。
13.リユースPCを使用する
PCにもリユース品を積極的に使うことで、環境への負荷は低減できます。
リユースPCを扱う企業は多くありますが、こちらでは環境負荷ゼロを目指したエシカルPCをご紹介しておきますね。
動作性など購入前に1週間試せるので、興味のある方はご覧下さい。
14.文具は共用にする
ハサミ、カッターや定規などの文房具を各人が持っていたりしませんか。
毎日頻繁に使うような職場であれば、一人に一つ文房具が必要かもしれませんが、多くの場合はたまに使う程度だと思います。
文具類は複数人で共有するシステムにすれば、新入社員が入るごとに文具類を準備しなくて済みますよ。
家に余っている文具があれば、寄付してもらっても良いかもしれません。
使い捨てない仕組みをつくる
15.マイボトル・マイカップ・マイカトラリー置き場を作る
会社に自分専用のボトルやカップ、箸やスプーンといったカトラリー類置き場があれば、社員の方も自然と自分の備品類を会社に置くようになると思います。
また、マイカップやマイカトラリーが当たり前の文化ができれば、会社の社内で発生する飲食系のゴミの量も減らすことができますね。
16.自販機の代わりに給茶機を設置する
給水茶機には、マイボトルやマイカップに給茶することができるタイプがあります。
お茶やコーヒーなど数種類から選べるので、マイカップ推進と合わせて社員の福利厚生の一貫に導入されてみてはいかがでしょうか。
使い捨ての紙コップやペットボトルごみの削減につながります。
17.水道直結型、浄水器付きのウォーターサーバーを設置する
給湯スペースのある会社では水道直結型の浄水器付きウォーターサーバーを設置されてみてはいかがでしょうか。
従来型のウォーターサーバーと違い給水タンクを入れ替える必要がないため、メンテナンスは楽ちん、水道水を利用するので経費も抑えられます。
ウォータースタンドは無印良品や自治体の給水スポットにも採用されているメーカーさんなので安心感があります。
コンパクトに設置でき、お湯と水を切り替えられるのでポット代わりに使うこともできます。
18.リユース容器で出前してくれるお弁当さんと提携する
コンビニ弁当が入っているプラスチック製の使い捨て容器は、食べ終わった後のごみの量が嵩張りがちです。
しかも食事は毎日のこととなるとゴミ出しも大変じゃないでしょうか。
リユース容器でお弁当を提供してくれるお店を探すことは難しいかもしれません。
一度見つけて提携できれば、ゴミの量もゴミ出しの手間も減らすことができます。
その他
19.粗品をむやみに作らない
反則のために無料で配布される粗品類。
環境配慮の代表格であるエコバッグも、すでに9割以上の人が持っていて、家に余らせていたりするのが実情です。
クリアファイル類も、何十枚と家に溜め込まれていたりします。
年末年始の挨拶で配られる手帳・カレンダーなども、近年のデジタル化の波で使わない人も増えています。
その粗品は本当に必要でしょうか?一度立ち止まって考えていただければと思います。
20.受注生産方式を導入する
新商品の開発などは、どれだけ売れる見込みかの予測がつかないことも多いと思います。
あらかじめ必要な数を把握してから生産する受注生産方式をとれば余分な在庫を作らなくて済み、廃棄を減らすことができるという点で環境負荷を抑えることができます。
受注生産方式は、クラウドファンディングを活用すれば比較的容易に取り組めますよ。
21.ユニフォーム・作業着に企業ロゴを入れない
サステナブルな取り組みに注力するパタゴニアは、自社製品へ企業ロゴを入れるサービスを止めると宣言しています。
ロゴを入れてしまうと、着用の頻度が限定されてしまうことやリユース市場に流通できなくなることで衣類の寿命が短くなってしまう、というものがパタゴニアの主張です。
社名が変わったり、ユニフォームが更新されたりすると、従前使用していた服は使い道がなくなってしまうものです。
どうしても企業ロゴで統一感を出す必要がある場合は、バッジや腕章をつくるなど工夫されてみてもよいと思います。
22.再生可能エネルギー電力会社と契約する
空気を汚さずCO2排出量を抑えることのできる、再生可能エネルギーの電力会社と提携してみましょう。
環境への貢献が、企業のイメージUPにもつながります。
23.名刺は再生紙や竹紙製とする
挨拶の際に取引先にお渡しする名刺も、紙にこだわってみましょう。
再生紙の利用は、紙の循環のサイクルをつくる上でも好ましいといえますよね。
竹紙については、古くから使われてきた竹がプラスチック製品に置き換わったことで、竹林が広がり里山の生態系を壊す竹害が問題となり、国内の竹を使った紙が開発されたという経緯があります。
たかが名刺といえ、環境に配慮した選択を取られてみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回は、企業ができるサステナブルな取り組みとして汎用性の高い施策をご紹介してみました。
サステナブルな取り組みを行うことは、企業としての出費を抑えることや、ゴミ出しの作業手間を減らすことにつながります。
ビジネスの仕組みを見直すことと平行して、身近な施策についても検討されてみてはいかがでしょうか。
参考
【2022年最新版】世界の検索エンジンランキングTOP10を発表 | ウィルゲート
他にも捨てない暮らしに関する記事を書いています。
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