プラスチックフリーな暮らし、ゼロウェイストな暮らし、というと定番のアイテムとしてあげられるミツロウラップ。
ミツロウラップは、ミツバチの巣からとれるミツロウを布に染み込ませたラップです。
使い捨てラップを使わず済むので、エコだといわれるので着目されているアイテムです。
例に違わず、わたしも手始めにミツロウラップを購入したのですが、メリット・デメリットを深く考えずに購入してしまったことを少し後悔しています。
これから購入を検討されている方のために、実際にミツロウラップを使用してきて感じた正直な感想・メリット・デメリットをご紹介したいと思います。
ミツロウラップを購入する前には、使う目的を明確に
ミツロウは、ミツバチの巣から採れる天然のロウのことです。
古くからミツロウは化粧品や家具のワックス、ロウソクなどに使われてきました。
エコラップとも呼ばれるミツロウラップ、購入しようと考えられている多くの方は使い捨てラップの代わりに導入されたいと思われているのではないでしょうか。
実は、ミツロウラップは、熱に弱く劣化しやすいため、常温保存や冷蔵庫での保管にしか使えません。
以下のように使い捨てラップをミツロウラップにそのまま置き換えられないことを念頭置いておきましょう。
自分のライフスタイルだとどのような使い方ができそうか、イメージできてから購入されてみて下さいね。
ミツロウラップ、実はデメリットも多い
まず、ミツロウラップのデメリット(弱点)をみていきたいと思います。
熱に弱い
一番のデメリットは熱に弱い、という点です。
60℃以上の高温になるとミツロウが溶けてしまいます。
熱に弱いことにより、ラップとして使える用途はかなり制限されてしまいます。
- 電子レンジでの温め
- 熱々のご飯でのおにぎりづくり
- 食洗機での洗浄
- お湯での洗浄
といった熱を加える内容はミツロウラップは不向きであることは理解しておきましょう。
わたしも使い始めの頃に熱いおにぎりを包んでしまい、ミツロウが一部剥がれてしまいました。
冷凍すると劣化が早まる
冷凍保存は、ミツロウの劣化が早まるため推奨されていません。
煮沸消毒や中性洗剤を使用できない
ミツロウラップは熱に弱いため煮沸消毒はできません。
また、中性洗剤の使用も推奨されていないため、生肉や魚といった雑菌が繁殖しやすい動物性タンパク質の生ものを包むのはNGです。
ミツロウラップを利用されている方は、主に以下のような用途で使われています。
- 野菜の冷蔵保存
- 果物(酸性の強いレモンやライムを除く)のラップ
- サンドイッチ、チーズを包む
- 冷めたおにぎりを包む
- お皿に入れた料理の冷蔵庫保管
冷蔵庫内保存、または軽食の持ち運びが主流ですね。
酸に弱い
ミツロウは酸で劣化しやすくなります。
酸性の強いレモンやライムなどの柑橘類は避けるようにしましょう。
粘着性がある
包むときに手の体温で柔らかくして、ミツロウを変形させて包むような使い方をします。
海苔やふりかけのおにぎりを包むと、海苔やふりかけ粘着性のあるミツロウラップについてしまい、後から取るのが面倒だったりします。
ミツロウラップにくっつきやすそうな細かいものを直接包むのは避けた方が無難です。
包むと中身が見えない
不透明の布のため、包んだり、器の蓋にしたりすると中に何が入っているか忘れてしまった場合、ラップを毎回開けないと中身を確認できません。
多用しすぎると、食材の管理に支障が出る可能性があります。
わたしは大中小、計3枚のを使っているのでかろうじて判別できていますが、これ以上数を増やすと管理できない気がします。
りんごは赤、葉物野菜は緑、など中身と合わせた色のミツロウラップを選ぶなど工夫すれば、忘れにくくなると思いますよ。
使い始めはミツロウの独特のにおいがする
ミツロウラップは無臭ではなく、独特なにおいがします。
使い始めの頃は、少し甘いにおいがします。
においは商品のよって違いがあったり、個人の好き嫌いもあるので一概には言えませんが、無臭だと思って購入すると開封時に独特のにおいに驚くかもしれません。
使い込むほどににおいは気にならなくなっていきますが、香りに過敏な方は実店舗で確認してからの購入をおすすめします。
知らないと新品開封時に「おおっ!?」と驚くことになるかもしれません。
1年から2年が使用期限
使用頻度にもよりますが、1年から2年を推奨されているメーカーが多いです。
シリコンなどと違って半永久的に使えるものではなく、長く使い続けるとミツロウがボロボロと割れてきたりします。
メンテナンスとして、オーブンシートにミツロウラップをはさみ、低温でアイロンをかけると、ミツロウが伸びて再度使えるようになります。
状態に合わせてミツロウを追加したりもできます。
捨てたくないけれど、メンテナンスも面倒という方はやめておいた方が良いかもしれません。
2年使っていると、汚れが付着してきている感は否めません。
以上が、ミツロウラップを使って感じたデメリットです。
特性を知らずに使うと劣化を早めることにもなりかねないので、使用の際はご注意くださいね。
ミツロウラップのメリットは?
デメリットばかり挙げてきましたが、今度はメリットを見ていきましょう。
見た目がかわいい
ミツロウラップは、なんといっても柄が色がかわいい点が特徴です。
市販のラップと違って、使っているだけでテンションが上がります。
キッチンや冷蔵庫の中に彩りが加わることで、キッチン全体が華やかな雰囲気になります。
かわいい柄だけでなく、シンプルで落ち着いた色味が好みの方には、無地のacowrap(アコラップ)がおすすめです。
かわいいミツロウラップ一覧↓
天然の抗菌作用がある
ミツロウはミツバチの巣を清潔に保ための役割を担っていたため、天然の抗菌作用があります。
水に強い
ミツロウは水に濡れても撥水するため、木製品のワックスに使われたりもしています。
汚れが付いてもさっと水洗いできます。
ランチボックス代わりに使える
サンドイッチや冷ましたおにぎり、フルーツの包み、ランチボックス代わりに使うこともできます。
外出時のランチボックス使い終わった後は小さく折り畳んで持ち帰れ、嵩張らない点がうれしいです。
野菜の鮮度が長持ちする
使い捨てラップで野菜を包んだ場合に比べ、ミツロウラップに包んだ野菜の方が鮮度が長持ちしやすかったりします。
以下の動画で検証されているのでご確認下さい。
手作りできる
色や大きさなど自分好みに使いたいという方には、手作りがおすすめ。
家にある布を好きな大きさに切り、ミツロウをつけ、アイロンで溶かして仕上げます。
材料さえあれば簡単に作ることができますよ。
実際どのように使っているか
使い始め当初派パンを包んだり、野菜を包んだり、おにぎりを包んだりと使っていたのですが、現在は冷蔵保存する際のお皿のふたとして利用する使い方に落ち着きました。
2年使っていると、食品かすがミツロウにくっついてしまっているのではないかと衛生面が気になりだし、直接食品に触れるような包み方は最近行っていません。
例えば、牛乳を飲み残したときのコップのふたや、食べ残したおかずやご飯のお皿のふたとして利用しています。
さっと冷水で洗うだけで使え、軽いので、コップやお皿のふたにするには便利です。
市販の使い捨てラップと比較しても、管理の手間はほとんど変わりません。
「メンテナンスに手間がかかるのではないか」という懸念については、ストック管理しなくて良いのでむしろ楽になっているようにも思います。
市販のラップの使用手間
・ラップを出す→ラップを切る→ラップする→ラップを収納する
・使い終わったラップは捨てる
・ラップのストックを管理する(買い出し)
ミツロウラップの使用手間
・ラップを出す→ラップする
・使い終わったラップを洗う→ラップを乾かす
・ストック管理は不要
現在は四角いミツロウラップを使っているのですが、丸いお皿の蓋に使うことが多いので、aco wrap にしておいてもよかったかなと思っています。
また、ミツロウラップが苦手とする電子レンジ温め・冷凍保存・肉や魚の保存には、繰り返し使える以下のアイテムなどを導入して、市販の使い捨てラップを使わずに済ませることができますよ。
イワキのガラスタッパー
電子レンジ、食洗器、冷凍・冷蔵保存などマルチに活躍してくれます。
ガラス製なので、食卓にそのまま並べてもおしゃれです。
スタッシャー
シリコンでできた繰り返し使える保存容器です。
冷凍保存したあと、そのまま湯煎したり電子レンジで温めたりできます。
シリコンラップ
お皿のラップやフルーツのラップなどに使用できます。
電子レンジで温めたり、食洗器で洗えるので便利です。
劣化するまで半永久的に使えます。
まとめ
以上、ミツロウラップのメリット・デメリットについて実際に使ってみた感想をもとにご紹介してみました。
ミツロウラップは繰り返し使えるエコラップと呼ばれていますが、思っていた使い方が出来ずに使わずに処分することになってしまえば、エコとは言えませんよね。
使い方によっては、シリコンラップなどの方が合うかもしれません。
完全に使い捨てラップから切り替えるのは難しいので、複数アイテムの併用も検討下さいね。
ミツロウラップを購入されようとしている方は、本記事を参考に、特徴やメリットデメリットを理解してから購入いただければうれしいです。