みなさんは、「サステナブルファッション」という言葉を聞かれたことはありますか?
「サステナブル」とは日本語に変換すると「持続可能な」という意味です。
サステナブルファッションとはこれまでの「大量生産→大量消費→大量廃棄」の流れから脱却し、
必要な分を生産
→必要な分を長く使う
→廃棄せずにリユース・リペア・リメイク・資源リサイクルする
という循環を生み出す、環境負荷を減らすファッションのあり方を指しているといえます。
サステナブルファッションについて具体的に知りたい方は消費者庁サイトをご覧ください。
わたしたち消費者向けにわかりやすくまとめられていますよ。
本記事では「サステナブルファッション」のメリット・デメリットを掘り下げて考えていきたいと思います。
サステナブルファッションのデメリット
サステナブルであるかを見極めないといけない
「サステナブルファッション」には明確な定義がないため、様々な企業が自社製品をサステナブルだと謳っています。
どのような理由からサステナブルだと言っているのか、よく見極めましょう。
例えば、サステナブルだとうたっていたとしても、数回の着用で傷んで着られなくなったり、特殊な素材から作られていてリサイクルできなかったりする洋服は果たしてサステナブルといえるのでしょうか。
また、リサイクルシステムを上手く機能させながら、使い捨てのように短い寿命でファッションのサイクルを回すメーカーの商品はサステナブルと言えるのでしょうか。
複数のメーカーを見てきて思うのは、オーダーメイド・リペア・リメイク・レンタル・自社製品のリユース品販売に対して力を入れている企業は、本質的な意味で一着を長く切るというサステナブルファッションと向き合っている割合が高いということ。
サステナブル素材やリサイクルに取り組むことも、もちろん意味のあることですが、一着をより長く切ることを考えるとそれだけでは物足りないといえます。
選択肢が少なくなる
サステナブルといわれるジャンルに絞ると、選択肢が少なくなることはデメリットといえます。
スーパーやファッションストアだと流行の洋服や、同じ種類のサイズ違い、色違いがところ狭しと並んでいますよね。
一方、サステナブルな視点でファッションを選定しようとすると、ファッションブランドの選択肢が絞られてしまいます。
新品の洋服を購入する機会が減る
一着を長く着ることを意識していると、中古の洋服を選んだり、今ある洋服を大切に着続けたりすることが増えます。
結果、新品の洋服を着る機会が減ってしまう人も。
真っ新な新品のお洋服を着る機会は減るかもしれませんね。
リペアやリメイクは手間やお金がかかる
リペアやリメイクは、自分で行うと手間が、誰かにお願いするとお金が掛かります。
洋服を長く大切に着る上でリペアやリメイクの手法は有効ですが、時間や金銭と引き換えに行うか?という点で立ち止まってしまう人は案外多いと思われます。
リユース先は飽和している
現代の日本において、リユースの洋服を購入する人は新品を購入する人に比べて少ないです。
従って自分が着ない服を誰かに着てもらいたい、と手放した洋服が日本国内で循環するのはごく一部です。
多くが海外に渡ったり、リサイクルやウエスとして処分されています。
リユース品の需要と供給が噛み合っていないにも関わらずリユース品を供給し続けることは果たしてサステナブルなのでしょうか。
リサイクルにもエネルギーがかかる
サステナブルと聞くとリサイクルという言葉を思い浮かべられる方も多いのではないでしょうか。
ただ、洋服をリサイクルするにはエネルギーが掛かります。
回収された洋服は細かく裁断して繊維にしたあと、再び布に作り替えて洋服になったり、防音材や車のシートになったりします。
リサイクルシステムがあるからどんどん買って廃棄しよう、という思想はサステナブルではないですよね。
大量のエネルギーが必要なリサイクルは最終手段と思っておきましょう。
サステナブルファッションのメリット
廃棄される洋服を削減し、資源を有効活用できる
世界中では、新品・中古品問わず、服が廃棄されている現状があります。
洋服の廃棄問題(ファッションロス問題)に関しては、以下にまとめた動画・サイトをご覧ください。
またまだ着ることのできる洋服が次々に廃棄される様子を見ると、誰もが「もったいない」と思うのではないでしょうか。
一着を大切に長く着る、着古した後も資源として活用する、というサステナブルな流れを作ることは、廃棄される洋服の総量を減らすことにつながります。
洋服により愛着がわく
長く着られる服を選ぼうと思うと、自然と自分の感性に合う・合わないという視点も大切になってきます。
吟味して選び、補修・リメイクして着続けることで、洋服自体に愛着がわいてくることでしょう。
以前、おじい様が着らていたというコートをご自身が着られたいということで、サイズ直しのご依頼がありました。
— ビーフレッシュ【洋服直し・オーダー・リメイク】 (@befresh_PR) 2020年10月30日
身幅詰め、肩幅詰め、袖幅詰め、袖丈詰め、着丈詰めといった全体的なサイズ直しが必要で、ジャストフィットに仕上がりました。
こうしてお洋服が継承されるのは素晴らしいですね✨ pic.twitter.com/IlxNEnYhPb
洋服の整理が楽になる
洋服を「流行に合わせて買っては捨てる」ことをやめると新しく家に入ってくる洋服の数が減るため、定期的な洋服の整理整頓の頻度・頻度を減らせます。
ミニマリストになる必要はないですが、一時的にレンタルするという選択肢など洋服を買いすぎないことで家事が楽になるかもしれません。
安価におしゃれを楽しめる
- 同じ洋服をアクセサリーなど小物を変えて着回す
- リユースの洋服を購入する
- 補修・リメイクして長く使う
- 洋服をレンタルする
といったサステナブルな選択肢を選べば、安価にファッションを楽めるようになります。
こだわりの素材から生まれたデザイナーブランドを選ぶのでなければ、新しい服を購入するよりもリーズナブルだといえますね。
世界で唯一の洋服に出会える可能性も
選択する洋服によっては、誰とも被らない自分だけの特別な洋服となるかもしれません。
オーダーメイドを頼めば、寸法など自分にあった洋服に仕上がります。
中古品であれば、廃盤となってしまった洋服に出会える可能性も。
リメイク品はまさに世界に一つしかないオリジナルな洋服ですよね。
お裁縫上手な祖母が作ってくれた子ども用ズボン。着なくなった洋服の生地を再利用したとのこと。ひいおばあちゃんが作ってくれた服を着て、子どもも嬉しそうです。ファストファッションが溢れる現代において、着継ぐ価値なるものを再考したいです。#ファッションロス削減#リメイク#ゼロウェイスト pic.twitter.com/D07lRvl4wj
— ゴミ育のすゝめ | 捨てない暮らし研究所 (@Gomi_iku) 2021年6月13日
まとめ
サステナブルファッションのメリット・デメリットについてまとめてみましたがいかがでしたでしょうか。
筆者は「どうすれば一着を長く大切に着られるのか」という視点を持つことが最もサステナブルだと考えています。
みなさんはいかがでしょうか。
本記事が、サステナブルファッションについて考えるきっかけとなればうれしく思います。
サステナブルファッションについて、さらに深掘りされたい方は以下の書籍も参考とされてみてくださいね。